地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)

地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)とは

地方と東京の経済格差等が原因で若者の東京への一極集中が続いています。その結果、人口減少が地域経済を縮小させ、地域経済の縮小が人口減少を加速させる負のスパイラルが日本で起きています。沖縄県沖縄本島北部地域(以下「北部地域」という)では国頭村、大宜味村、東村、本部町、伊江村、伊平屋村、伊是名村の1町6村が過疎地域自立促進特別措置法に基づいて過疎地に指定されました。北部地域の過疎地域においては、若年者の流出が続いており、1980年の国の調査では22.1%を占めていた若年層は、2010年には14.3%まで低下しています。これは、魅力のある就業機会が少ないことや若年層の移住・定住の促進に関する取組が弱いことが原因であると指摘されています。

そこで、沖縄県北部地域の雇用創出と若者定着を促進するために、「名桜大学が地域貢献をする地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(Center of Community Plus, 以下COC+)」が平成27年度末に開始されました。これは、地方自治体や企業、NPOや中間支援組織等と連携し、地域が抱える課題(ニーズ)を解決するため、大学の資源(シーズ)をマッチングを行い、産・学・官・金・労・言の協働により、新産業・雇用創出等に資する具体的な地域定着・還元型の教育・研究・社会貢献事業です。そして、地域創生や地域振興に資するグローカルマインドを持った「地域志向型リーダー」を育成し、地域の再生と活性化を推進いたしました。
※本事業は、平成27年度から始まり、令和元年度末もって事業終了いたしました。

若者定住への戦略

名桜大学の地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)では、「地域を知ってもらう」と「地域の仕事創出」、2つの目的に力を注ぎました(下図参照)。1つ目の目的である「地域を知ってもらう」ために実施したことは、地域志向科リーダー育成のために、「名桜大学副専攻(地域マネジメント)」の認定制度を平成30年度に設置しました。これは、地域の現状や課題に関する理解を深め、地域の抱える課題解決のための具体的な方策の提案や実践を通し、地域の維持と発展に対して主体的にかかわり能動的に行動できる人材を育成する地域志向型教育プログラムです。併せて、開学当初から続けている地域企業へのインターンシップの強化を図り、産学官連携で域外企業を誘致や起業につながる支援を実施しました。

次に、2つ目の目的である「地域の仕事を創出する」ために実施したことは、地元自治体や企業が困っている課題解決に専門分野の大学教員と学生が貢献できるように、社会人や学生を対象に産官学連携で正課外の公開講座を開講しました。この取組では、本事業と協働連携を交わした5つの自治体と複数の民間企業の協力を得ることで実現しています。

参加者全員が利益やメリットを享受できる仕組みの構築

名桜大学の知の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)は2つの目的を達成するために、3つの目標を掲げました。

1. 産学官連携を促進して、山原で本当に困っている地域課題に取り組む(自治体と協定締結)

2. 教育カリキュラム改革を通じて、地域に貢献できる人材を大学が育成する仕組みを構築する

3. 産学官連携と教育カリキュラム改革を推進することで地域の雇用創出と若者定着を目指す

この3つの目標は、参加者全員が利益やメリットを享受できる仕組みを構築することが、地域で本当に困っている課題の把握と解決において、重要な取組みであると考えています。そこで名桜大学COC+では、事業の初年度から自治体や地域の企業と協働協定を締結を推進し、正課教育及び正課外教育のカリキュラムを改革に取り組みました。

正課教育では、先述した地域志向型リーダー育成ための副専攻科目を設置するため、既存の講義から地域課題に関連する72科目の講義を厳選し、合計で24単位(必修含む)履修した在学学生のみに発行される認定制度を創設しました。令和元年度の卒業生から地域マネジメントの認定1号が創出されます。認定を受けた卒業生は、地域のリーダー的な立場でマネジメントができる知識や技術を有するため、今後の活躍が十分に期待できます。また、正課外教育では、協定自治体と円卓会議を持ち、地域が抱える課題に直接届く解決案として観光業に関連した語学講座(英語)、山原のデータを活用した統計分析講座、空き家問題解決のための移住者向けバスツアー、ICT活用でいちご農家の課題解決など、合計で6つの正課外実践教育の教育プログラムを毎年すべて継続して実施することが出来ました。これらの活動は、地域や地場産業に関わりのある社会人に向けた取組みであり、本学に在学する学生のみならず、社会で活躍している人材の高度育成にも貢献した事例です。

このように、本事業にかかわるすべての人たちが利益やメリットを享受できる仕組みは、開学以来、初めてといえるほど多くの事例を残しました。

名桜大学の知の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)の活動成果について

名桜大学COC+の活動成果は、以下の3つが挙げられます。

1. 5つの自治体との連携協定(国頭村、大宜味村、東村、宜野座村、金武町)

2. 学生向け活動成果:インターンシップ、副専攻科目(地域マネジメント認定)

3. 地域向け活動成果:正課外実践教育プログラム(英会話・英語講読、山原の統計学、古民家・空き家ツアー等)

これら3つの成果は、「参加者全員が利益やメリットを享受できる仕組み」から生み出された成果であり、特筆すべきは、学生のみならず、地域と協働して活動出来たことが大きな地域貢献の成果と言えます。また、事業終了後も上記の2.と3.は、これまでの取組みを継承し、今後も地域貢献及び人材育成を推進します。

COC+の活動は、名桜大学が目指す建学の精神に則り、多様化する社会に対応できるような「国際社会と地域社会に貢献する人材育成」を初志として、COC+の採択校である琉球大学と一緒に推進してきました。その活動成果についての報告書をここに提示します。

平成30年度 地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)活動報告書

謝辞

名桜大学の地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)の推進にご協力いただいた、地域自治体の皆様、地域企業及び団体の皆様、本事業の取り組みに常に真剣に議論し、一緒に取り組んで頂き、誠にありがとうございました。そして、本学の使命を理解し快く協力して頂いた、琉球大学ご関係者の皆様、心より感謝いたします。

本事業は令和元年度で区切りを迎えますが、事業終了後も継続していく活動があります。それらの活動は、続けてこそ価値が出る取組みばかりです。地域連携機構は、今後もより効果的かつ広域的に地域貢献できるように日々精進して参りますので、今度ともどうぞよろしくお願いいたします。